ヘモグロビン鉄分不足って何?

血液検査の検査結果に、ヘモグロビンという項目があります。体が鉄分不足状態かどうかの目安になる項目のひとつです。ヘモグロビンの基準値(男性13.5~17.g/dl、女性11.5 ~15.0 g/dl)よりも数値が低くなると、ヘモグロビン鉄分不足と診断されます。

ヘモグロビンは赤血球に含まれている成分で、血色色素とも呼ばれています。赤血球の中の中にある、鉄を含む物質(ヘム)とたんぱく質(グロビン)が結合した色素です。ヘモグロビンは赤血球の働きを助けており、呼吸によって取り込んだ酸素を肺から体全体に送る役割があります。

ヘモグロビン鉄分不足とは、ヘモグロビンの主な材料である鉄が不足している状態です。偏った食事や月経による出血、妊娠や授乳などで鉄が失われてしまうのです。また、病気で鉄の吸収ができなくなったり、内臓のどこかからの慢性的な出血が原因でヘモグロビン鉄分不足になってしまう場合もあります。

 

鉄が不足すると、体に酸素を送るという働きが難しくなるので、酸素不足になります。それによって息切れやめまいが起こるのです。栄養も運べなくなるために肌が乾燥したり、抜け毛や枝毛が増えることもあります

重度になると、氷を食べたくなるなどの異食症になったり、爪がスプーン状に反ってしまうこともあるのです。

ヘモグロビン鉄分不足の治療は、病院では点滴や鉄剤の服用などを行いますが、薬による対処療法なので根本的な治療にはなりません。そのためバランスの良い食事が大切になってくるのです。偏食や朝食抜きをやめて、規則正しい食事をとります。インスタント食品などはできるだけ控え、栄養をしっかり摂るために主食とおかずをきちんと食べます。おかずには動物性の鉄分であるレバーやかつお、まぐろなどや、植物性の鉄分であるほうれん草や小松菜、ひじきなどを多く取り入れると、ヘモグロビン鉄分不足の改善や再発の防止にもなるのです。