溶血性鉄分不足の原因について

溶血性鉄分不足とは、溶血という赤血球が破壊されたことにより鉄分不足が起きることです。

症状には、溶血により血中のビリルビン値が上昇し黄疸になったり、胆石症や核黄疸などの合併症を起こす場合もあります。

溶血性鉄分不足の原因は、さまざまであり、赤血球自体に異常がある先天性と赤血球自体は正常でも破壊を亢進するような要素が加わった後天性の2種類に大別されます。

 

先天性タイプの溶血性鉄分不足の原因としては、血漿浸透圧の極度の低下や細菌感染、何らかの毒素などがあります。また、アレルギーによる場合もあり、この場合には、赤血球を異物と誤って認識してしまい、抗体反応により赤血球が破壊され発生します。破壊されたことにより赤血球が円盤状でなくなり変形しにくくなるため、毛細血管で詰まってしまいます。一番引っかかりやすいと言われているのが、脾臓の毛細血管です。そこで詰まることで、古い赤血球と判断されマクロファージにより破壊され溶血が起こります。

 

また、抗酸化作用のあるビタミンEが欠乏した状態で、生体膜で活性酸素が存在すると脂質化酸化反応が起こり、過酸化脂質が連鎖的に生成されます。この時に、膜が損傷することで、赤血球で溶血することで生体膜の機能障害が発生します。

後天性のタイプの溶血性鉄分不足は、スポーツが原因の場合は、運動することにより足の裏の血管内で赤血球を数多く踏み潰してしまうことにより発生します。個人差があるため、全ての人に発生するわけではありませんが、勢いよく素足で踏み込む剣道の選手やジョギング愛好家などに発症しやすいとされています。他にも、やけどや蛇の毒によるもの、免疫機構の異常により症状が発生する自己免疫性などがあります。