腎性鉄分不足の原因と症状について

腎性鉄分不足とは腎臓の機能が低下することによって起こる鉄分不足です。

腎臓は非常に重要な臓器の一つで、主に血液からの老廃物や余分な水分のろ過及び排出、体液の恒常性の維持などを主な役割として担っています。
また、腎臓は様々なホルモンを分泌しています。そのホルモンの中に「エリスロポエチン」という赤血球を作るはやらきを促進するホルモンがあります。

腎臓の機能が低下すると、この「エリスロポエチン」が分泌されにくくなります。そうすると、赤血球を作るはたらきが弱くなって鉄分不足になります。
さらに、低酸素に対する感受性の低下や尿毒症による低栄養などによって鉄分不足の症状が進行します。
これが「腎性鉄分不足」です。

腎性鉄分不足を起こす原因として慢性腎不全や血液透析を受けることなどが挙げられます。
慢性腎不全は放置するとかなり危険なので注意が必要です。

腎性鉄分不足の症状は、疲れやすい、息切れ、めまい、食欲不振、動悸、爪色が悪い、頭痛などがあります。
普通の鉄分不足とは違って、腎性鉄分不足は徐々に進行します。そのため体がその症状に慣れてしまい、自覚できない場合があるので注意が必要です。

また、鉄分不足によって全身に酸素が行き渡らなくなり、酸素が不足します。
それを補うために心臓がよりはたらくので、負担がかかってしまいます。
鉄分不足には、鉄分の不足によってヘモグロビンの生産が不十分になることでで起こる「鉄欠乏性鉄分不足」がありますが、腎性鉄分不足とは原因が異なるので治療法も異なります。

腎性鉄分不足の治療法は、分泌されなくなったエリスロポエチンを与えることでことです。
一般的に鉄分不足には鉄を補給すれば良いと言われますが、腎性鉄分不足は鉄を補給するだけでは改善しません。
然るべき治療が必要です。