鉄分不足の種類を知る

鉄欠乏性鉄分不足とは

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鉄分不足のなかで、最も多く見られるのが鉄欠乏性鉄分不足です。
わたしたち成人は約3~4gの鉄を身体の中に持っています。
毎日、その中のほんの1mgほどが汗や尿で流れ出してしまうので
その分の鉄を食事で補わなくてはなりません。

 

女性は月経より体の外に出る鉄の量が、男性よりも多くなります。
ところがダイエットなどで食事から鉄の補給ができていない場合があり
鉄欠乏性鉄分不足になりやすいといえます。

 

妊娠や出産時にも約1000ミリグラムの鉄が体の外に出ますし、
授乳に際しても鉄の需要が増えます。

 

鉄が不足しても急に鉄欠乏性鉄分不足になることはありませんが、体内の鉄の蓄え(貯蔵鉄)を少しづつ切り崩して補填するようになります。
そして蓄えがほとんど無くなると鉄欠乏性鉄分不足になります。

 

鉄分不足予防には、まず鉄分を効率よく摂取することが必要です。

巨赤芽球鉄分不足(悪性鉄分不足)とは

赤血球ができるときに必要なビタミン12や葉酸が欠乏することにより起こる鉄分不足のこと。
とても説明は難しいですが、簡単にいうと

 

ビタミンB12や葉酸が足りないと…
→赤芽球(例えるなら赤血球の赤ちゃん)が赤血球になれない
→赤芽球はそのまま肥大化して、巨赤芽球となり、壊れて死んでしまう
→赤血球ができず、赤血球の数がたりなくなる

 

巨赤芽球の発生する理由の内訳は
● ビタミンB12の欠乏が約97%
● 葉酸の欠乏が2%ほど
まれにビタミンの先天的な代謝障害や薬剤によるものもあります。

 

主な症状としては手足のしびれや黄疸、細胞増殖の異常や神経系の異常などが現れます。

 

この場合の鉄分不足予防はビタミン12や葉酸の補給ですが、医学的な治療が必要な場合もあるので自己判断をしないように、病院で検査を受けましょう。

溶血性鉄分不足とは

血が溶けてしまうというショッキングな名前の溶血性鉄分不足。
赤血球が破壊される事が原因の鉄分不足です。

 

骨髄で作られる赤血球の寿命は120日といわれていますが、何らかの理由で寿命より早く壊れてしまい、生産が追いつかない状況になったとき溶血性鉄分不足になります。

 

溶血性鉄分不足は、赤血球そのものの異常が原因の先天性のものと、赤血球に対する抗体や、血管壁の異常など、赤血球以外の異常によって起こる後天性のものがあります。赤血球を異物とみなして攻撃する自己抗体が原因の自己免疫性溶血性鉄分不足というものもあります。
発作性夜間血色素尿症などの一部を除きます。

再生不良性鉄分不足とは

血液をつくる骨髄の造血機能が、なんらかの理由での衰え、赤血球、白血球、血小板などの血球のすべてが減少してしまいます。

 

原因としては放射線や化学物質、薬物、ウイルスなどが考えられますが、はっきりとはわからないいことから特発性再生不良性鉄分不足と呼ばれ、難病として指定されています。
遺伝や伝染はないといわれています。

続発性鉄分不足とは

血液自体や骨髄の異常から起こるのではなく、病気が原因で起こる鉄分不足を続発性鉄分不足と呼びます。 原因となる病気はガン、リウマチ、寄生虫、心臓・肺・腎臓・肝臓などが考えられます。妊娠によって起こる鉄分不足も含まれます。